新サプリですよ! 書いた人:片山泰宏
全国百万のデモンパファンのみなさーん!
新しいサプリメントが登場しますよー!
こんにちは! 片山です!
暑かったり寒かったりと奇妙な季候の中、デモンパ班は新サプリメント『ディアボロス・ユニオン』の最終調整に、テストプレイの日々でございます。
新サプリメント『ディアボロス・ユニオン』の目玉は、なんと言っても警視庁対悪魔課!
これまで事件の情報提供や後始末役として日陰者扱いだった彼ら――人間がついに特殊装甲服『AAS(アーマードアサルトスーツ)』を装着して“悪魔憑き”との戦いに身を投じるのです!
『AAS』は“悪魔憑き”と戦うために最先端技術を駆使して作られたパワードスーツ!
これさえ着込めば“悪魔憑き”にだって対抗できる!
もう「“悪魔憑き”を倒せるのは“悪魔憑き”だけ!」なんて言わせない!!
……とはいえ、制作している途中で、人間の弱さが出てくる出てくる。
ただの人間と“悪魔憑き”の差は――かほどに違うものかと、驚きの日々が続きました。
そんなある日。
帰りの電車(奈良行き)を待つ俺は、ホームで友人と電話をしていました。
友人T「なぁ、そろそろ新しいサプリ出来るとか言ってなかったっけ? テスト要るんじゃねーのか?」
片山「まーなぁ……」
友人T「じゃ、次の休みにやろうぜ。よろしくー」
片山「あ、ちょ、おい?」
ブツッ。ツー、ツー。
片山「……ハイエナめ!」
で、後日。
片山「力造さーん。そういうわけで、テストできそうなんですけど」
力造「はいよー(原稿を渡して)」
片山「早ッ……あ、ありがとうございます」
力造「……ゆっくり殺ってきてね!!」
片山「ぜ、善処します……」
そうしてデータを頂いたオレ。
プレイヤーを集めてさあキャラメイクです。
片山「じゃ、データ渡すんでキャラ作ってくれー」
プレイヤー「お? なんだ『剛龍』とか『紫電』とか。これ、新しい共生生物?」
片山「ちっがーう、それは『AAS』と言ってだな……(以下解説)」
プレイヤー「ほほう……お、外骨格型もあるのか。じゃあせっかくだから俺はこいつを選ぶぜ!」
というわけで始まったプレイ。
特殊部隊上がりの警察官たちは、実にノリノリに、悪魔事件を調査していきます。
途中で出会ったセラフィムの人たちにも、「もう君たちに頼る必要はないんだよ」などと言い放ち、大絶頂で威張りまくり。
そして、ついに〈ヴィシャス〉と遭遇した警官達! 後方へと押しのけようとするセラフィムの“悪魔憑き”たちにニヤリと笑い、特殊トレーラーへ駆け込んで『AAS』を装着!
AAS装備者「フハハ、毒ガス攻撃! 汚物は消毒じゃー! この毒はのう、悪魔憑きにだけ効く毒でのう……苦しいか! 苦しいかこのバケモノめ、カハハハ!」
悪魔憑き「あのー、この人達の方が危なくないですか?」
片山「きみきみ、一応警察官だからね?」
AAS装備者「いやー、強いなぁ『AAS』。もっと弱いかと思ってた」
片山「さてどうかな……ってわけで〈ヴィシャス〉の攻撃! 半径5m内の敵全てに、特殊ダメージ30点!」
悪魔憑き「あー、ダメだ。暴走!」
AAS装備者「……ちっ、こっちもだ」
片山「待った待った。お前暴走なんて出来ねぇよ※1 ……だって人間だもの」
AAS装備者「ゲ、ゲゲェーッ!? ま、-5点で気絶した!!」
片山「おー、運が良かったのー。-10いくと死ぬからな。気をつけて」
AAS装備者「し、死ぬ……のか」
悪魔憑き「デモンパじゃついぞ聞いたことのない単語だ……(ゴクリ)」
片山「人間だもの」
などという、人間と“悪魔憑き”との違いを今更に実感してみたり。
AAS装備者「げ、限界点突破した! 誤作動表※2を振って……うげ、「窒息」した! くっ、苦しい! ガスが逆流してきて……ゲホゲホッ! し、死ぬ!」
悪魔憑き「なんか向こうは大変だなぁ……あ、こっちも衝動表で「近くの人間を全力で攻撃」とか出ちゃった。近くって言うと……(ちらり)」
AAS装備者「ギャーー!」
などと、新旧組み合わさったコンボであわや全滅しかけたり。
なんでそういう目振るのか。
結局、なんとか強敵をくだし(今回も追加エネミーは非常にデッドリー。バトルジャンキーは乞うご期待!)、さあお楽しみ、《魔種吸引(キャプチャー)》の時間。
――おやおや?
なんだかAASの人たちが、倒れた〈ヴィシャス〉に銃を向けていますよ?
AAS装備者「とどめだ! フハハ!」
悪魔憑き「ちょ、なにしてんのあんたら?」
AAS装備者「我々のこの銃は、無力化した“悪魔憑き”の体内にある『悪魔寄生体』を24時間眠らせることができるのだ!」
悪魔憑き「へー……で、どうするの?」
AAS装備者「もちろん……逮捕する!!」
悪魔憑き「……ちょっと待ってGM。それ、経験点や特殊能力の魔結晶ってどうなるの?」
片山「……警察側で回収。つまり、他の悪魔憑きには手に入らないってことかな?」
AAS装備者「そーれ、バキューン♪」
悪魔憑き「ちょっと待ってェェェ! 《魔種吸引》してからにしてェェェ!」
AAS装備者「〈ヴィシャス〉になっちゃったヒロインの対処は我々がおこなう! ……逮捕はするけどな!」
悪魔憑き「……もうあなたたち、帰ってくれます?」
そんなステキなAASライフ。
今回は省略した、新要素もまだまだあります。
そして警察に負けじと、セラフィムも専用の「悪魔寄生体」を用意して君たちを待っている!
発売は6月末。乞うご期待!
(※1:正確には、『AAS』にも似た機能がある。ただし、制限は“悪魔憑き”より厳しい)
(※2:いわゆる『AAS』用の衝動表だ)