剣姫照魔伝 そもそものはじまりの巻 書いた人:友野詳
うわははははははははははははははははははは!!
……引いてない?
あ、どうも。ご存知の方はご存知の男。
グループSNE最古参組(……いつのまにかなっちゃったなあ)の一人、友野詳でございます。
ふだんはシルバーレインとかゲヘナとかガープスとかのお仕事をしておるのですが、このたび『デモンパラサイト異聞 鬼御魂』のリプレイを書くことになりました。
なりましたっちゅーか、もう書いたんですが。
なんで、私が、唐突に鬼御魂のリプレイを書いたのか? という疑問をお持ちの方もございましょう。
ということで、そのへんについて、つらつらお話をさせていたただこうかと思います。
ことの起こりは、酒宴でございまして。
とある日。
それぞれ別件で、グループSNEの事務所において長時間の打ち合わせを行った後、合流して居酒屋に繰り出した我々、いつものごとく痛飲していたのでございます。
「せやからな、TRPGをもっと広めるためにはや……」
「……という話はシナリオソースに使えるんではないかと」
「なにぃ、あの映画を見ずに青龍拳士ができるかーっ」
「友野さん、エローい」
だいたい、飲みに行って話すことといえば仕事の話なのであります。
グループSNEのメンバー、ほぼ全員、仕事中毒なのです。
単なるゲームジャンキーという見方もできますが。
なに、ほかの見方などないですと!?
はっはっは、そんな、あなたはとっても正直者。
さておいて。
「ほんでやのう、力造よ」
「なんでしょうか、叔父貴」
鬼御魂のデザイナー、力造は酔っ払うと、私を叔父貴と呼ぶのございます。
彼の風貌(目つき悪い、痩身筋肉質、丸坊主)で、こういう言葉遣いをされると、どうもあらぬ誤解を招きそうなんですが。
幸い、私が、平凡で小市民な見かけなので心配はないわけで。
んな余計な話はさておいて。さておいてばかりだな友野。
「わしゃあ、鬼御魂の企画を最初に聞いたとき、てっきり時代ものが遊べると思うたんじゃ。けど、出たんを見たら現代もんじゃったけえのう」
微妙に『仁義なき戦い』の菅原文太の物まねが入ってしまうワタクシです。なに、ネタが古い? うーん、これが二十代前半のイケメンだったら昭和を語ってもお仕事になるのにねえ、半田健人ですとかさあ。
話を戻しますが、かくいうてずいとせまるワタクシに、力造、一歩もひかず。
「は。時代ものってのも考えたんですが。やはり最初はデモンパラサイトとのつながりを重視したほうがよかろうと、北沢さんにもアドバイスをいただきまして」
「うん。それはよい。それは間違ってない。しかし、次はちゃぁんと時代劇をやれるんじゃろうなあ。いや、チャンバラとは言わん、忍法帖とも言わん。むしろ、それ以外のいろんな時代を楽しむゲームにできるんと違うのか。それでこそ、さらにあの和風テイストが生きるのではないのか」
「応仁の乱やりましょう、応仁の乱」
いきなり乱入してきたのが、担当編集刈谷圭司。
続いてデモンパラサイト班リーダー北沢慶が。
「いやー、明治とかどうかなあ」
「いっそ大正あたりでだね。シベリア出兵を背景に、世界の覚醒者が雪原につどうという」
「ぬふう。わしゃあ、奈良時代とかやりたいですのう。大和朝廷対蝦夷とかどうですかな」
「王道ですよ、幕末!」
「戦国を忘れてもらってはっ!」
次々に参集する、SNEメンバー。どんどんと酒量もアップ友野詳。
「やれやれ、やったれい。その時ぁ、わしがリプレイ書いたる。ちゅうか、むしろ書かせたれい! ……すいませーん、生ビールもう1つー!」
……という会話をかわした数週間後。
電話をもらいました。刈谷くんから。
「……あの、友野さん。例の時代劇鬼御魂ですが。企画が通りました」
サプリメント+リプレイという形で出せる、とのことです。
やったぜ!
あれ? やったぜはいいけれど……す、スケジュールは? (カレンダーを見て青ざめる)
いやいやいや。
たとえ酒の席であっても、仕事に関しては本気しか口にしないこの友野詳でございます。
あらためて、いかなる時代を舞台にするかを、北沢&力造&田中公侍らとがっつり相談をばいたすわけです。
「……では、源平で」
「……つまりは鎌倉で」
「討魔伝をやっていいわけですね! ひゃっほうひゃっほう!」
「落ち着け、力造」
かくて『源平鬼御魂』の企画ががスタートしたわけです
この続きは、また次回。